音楽能力の土台作り「ソルフェージュ」 - 子どもだけでなく大人にも知ってほしい「本当の音感」

音楽能力の土台作り「ソルフェージュ」 - 子どもだけでなく大人にも知ってほしい「本当の音感」

 

 

「ソルフェージュ?言葉は聞いたことあるけどよく分からない!?」

 

「うちの子、吹奏楽部だけど、もっと音楽を深く理解できたら、演奏も変わるのかな?」

 

 

 

 

音楽教育にお子様を関わらせる保護者の方や、部活動で楽器に打ち込む学生の皆さんなら、一度はそんな風に思ったことがあるかもしれません。

練習は裏切らない、とは言われますが、ただ楽譜通りに指を動かすだけ、正しい音を出すだけの作業になってしまうと、音楽が持つ本来の楽しさや感動は見失われがちです。

 

 

その鍵を握るのが、音楽教育の土台と言われる「ソルフェージュ」。

 

 

この言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、その本当の目的や、現代の教育が抱える課題までご存知の方は少ないかもしれません。この記事では、ソルフェージュとは何か、その光と影、そしてこれからの時代に求められる「本当の音感」の育て方について、深く掘り下げていきます。

 

 

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音楽能力の土台作り「ソルフェージュ」とは?

 

 

ソルフェージュとは、一言で言えば「音楽の基礎能力を養うための総合的な訓練」です。特定の楽器の演奏技術を磨くのではなく、音楽活動そのものの根幹をなす「読む・聴く・歌う・理解する」といった能力を総合的に鍛えます。

 

 

 

 

料理に例えるなら、レシピを正確に読み解き(読譜)、素材の味を利き分け(聴音)、味の組み合わせの法則を学ぶ(楽典)ようなもの。これらができて初めて、美味しい料理(=心に響く演奏)が作れるのです。

 

 

具体的には、主に以下の5つの訓練を行います。

 

視唱(ししょう)
初めて見る楽譜をその場で歌う訓練。楽譜を瞬時に音楽として理解する「読譜力」を養います。

 

初見奏(しょけんそう)
初めて見る楽譜をその場で楽器で演奏します。視唱の楽器版で、これも「読譜力」に直結します。

 

聴音(ちょうおん)
聴こえてきたメロディーや和音を楽譜に書き取る訓練。「音を正確に聴き分ける能力(音感)」と記憶力を鍛えます。

 

楽典(がくてん)
音階や和音の仕組みなど、音楽のルール(文法)を学びます。

 

リズム練習
手を叩いたり声に出したりして、様々なリズムを正確に表現します。

 

 

これらの訓練を通して、楽譜をスムーズに読み、音を正しく理解し、音楽の構造を把握する力が身につきます。それは、楽器の演奏、歌、作曲、アレンジなど、あらゆる音楽活動にとっての揺るぎない土台となるのです。

 

 

受験ソルフェージュの「光」と見落とされがちな「影」

 

 

これほど重要なソルフェージュですが、特に日本では「受験ソルフェージュ」という側面が強くなり、ソルフェージュ本来の目的から離れてしまっているのではないか、という懸念があります。

 

 

音楽大学の入試では、多くの場合「聴音」や「視唱」が必須科目です。合格点を取るためには、一音たりとも間違えずに聴き取り、歌う「正確さ」が何よりも求められます。

 

高い精度を求める訓練は、プロを目指す上で必要な基礎体力を養うという大きな「光」の側面があります。一方で、その正確性を追求するあまり、ソルフェージュの訓練が音楽表現や感情から切り離された「機械的な音当て作業」になりがちで、音楽が本来持つ感情の揺れ動きを味わう側面が練習の中で見落とされがちになるという「影」の側面も指摘されています。

 

 

例えば、ある和音を聴いて「これはソ・シ・レ・ファで構成された和音だ」と分析することはできても、その和音が持つ「聴き手をハラハラさせるような緊張感」や「次に進みたくてたまらないエネルギー」を身体で感じ、表現する能力が育ちにくいことがあります。

 

 

ある2つの音が「四度音程だ」と識別できても、その響きが「緊張と安定」を表した四度音程なのか、それとも全く別物なのかを感じ取ることができなければ、表現することはできず、聴き手の心を動かす演奏には繋がりません。

 

 

音楽は、感情を伝えるための言葉です。言葉の正確な「文法」を学ぶことと、その言葉で美しい「詩」を紡ぐこと。その両方のバランスを取ることが、音楽をより深く楽しむ鍵になるのではないでしょうか。

 

 

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【絶対音感がなくても音楽は楽しめる!】

 

「プロの音楽家や歌手は、皆が絶対音感を持っている」と思い込んでいませんか?実は、私自身もかつてはそう信じていました。しかし調べていくうちに、音楽の才能と絶対音感はイコールではないという事実を知ることになります。

 

音楽を楽しむ上で本当に大切なのは、「相対音感」という能力。
絶対音感は幼少期に限られることが多いですが、相対音感は大人になってからでも十分に育てることができます 。

 

「絶対音感がないから音楽を諦めた」という方こそ、相対音感に目を向けてみてください。音を聴く力を育てることで、音楽はもっと身近で楽しいものになります。ラタトーンが、あなたの音楽ライフを楽しくサポートします!

 

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あなたが育てたいのはどちらの「音感」?

 

 

この問題の根底には、「音感」という言葉の捉え方の違いにあるのではないでしょうか。

 

一般的に「音感」と聞くと、「音の高さを正確に捉える能力」と解釈されがちです。しかし、それは音感の半分、それも機械的な側面でしかありません。

本来、私たちが音楽を通して育てたい「本当の音感」とは、「音のつながりがもたらすエネルギーや感情を読み解き、感じることのできる能力」 です。

 

 

それは、作曲家が音で描いた「感情の設計図」を、耳で聴き、心で感じて、追体験する力。音楽に対する「受信感度」そのものです。この感性的なアンテナがなければ、どんなに正確に音を並べられても、音楽はただの情報の羅列になってしまいます。私たちが目指すべきなのは、この「心で聴く力」を育むことではないでしょうか。

 

 


今日からできる「心で聴く」トレーニング

 

 

音楽を感情豊かに聴き、演奏に繋げるためのアンテナは、特別な機材がなくても日々の意識で鍛えることができます。

 

メロディーを「歌って」みる

 

楽器を扱う前に、まずはそのメロディーを自分の声で歌ってみましょう。この時、歌詞を歌うのではなく、「ド・レ・ミ」で歌うことをおすすめします。「ド・レ・ミ」と声に出して歌っているうちに「最後に『ド』と歌うとなんだか落ち着く気がする」とか「『シ』と歌ったあとはなぜか『ド』と歌いたくなる」そんな気持ちになってきます。

 

どの音に向かって気持ちが高まるか、落ち着きが生まれるかなど、体の感覚を通して音楽の流れを掴むことができます。

 

 

伴奏に耳を澄ませる

 

普段メロディーばかりを聴いているなら、次はベースの動きやピアノの和音に意識を向けて、集中して聴いてみてください。主役を支える音の役割が分かると、音楽がより立体的に聴こえてきます。

 

「感情の設計図」を読み解く

 

好きな曲を聴きながら、「この部分はワクワクするな」「ここは少し悲しい響きがする」といった感情の変化をメモしてみましょう。そして、なぜそう感じるのか、「高い音に上がっていくから?」「短調の和音が使われているから?」など、その理由を少しだけ考えてみるのもおすすめです。

 

 


▼Ratatone®公式サイト▼【インタビュー記事】
京都市立芸術大学 打楽器奏者「黒澤雄太」が語るソリスト選出までの軌跡と調性音感との出会い

 

 

 

ラタトーンで「良い耳(音感)」を育んでほしい

 

 

私たちは、世界中の子どもたち、大人たちの「良い耳(音感)」を育みたいと考えています。
そのために、まずは「音をしっかり聴き」「音のつながりがもたらすエネルギー」を身体で感じてもらえるようなコンテンツが必要だと考えデザインしました。

 

 

「音を聴く」ことに集中できる

 

 

 

 

「音をしっかり聴く」ために、「演奏技術の難しさ」を取り払いました。

 

通常、音を聴くためには楽器を演奏するか、デジタルデバイスで音を聴くしかありません。ラタトーンは、ペンで楽譜の音にタッチすると音が聴けるので、子どもから大人まで、純粋に「音を聴く」ことに集中でき、音そのものが持つ響きや感情の色彩をじっくりと味わうことができます。

 

 

「音のつながりが生み出すエネルギー」を感じる体験

 

 

 

 

ラタトーンのコンテンツは、あるルールに基づいて作られています。
例えば、音の色は「ドが赤色、ソが青色、ラが紫色」となり、これはすべての楽譜において共通です。「この音楽は、『ド』で始まって『ド』で終わっているね」」、「ドで終わる時、いつも近くにソの音があるね」、「この悲しい音楽は紫色が多いね」という風に、文字が読めない小さなお子様にも音のつながりを目と耳で感じてもらえるように設計しました。

 

 

楽譜の見た目はお子様向けですが、実は大人の方にも有用です。単に音を聴き分けるだけでなく、「音のつながりがもたらすエネルギー」や、それが引き起こす「緊張と緩和」を直感的に感じられるように作られているので、音を機械的に捉えがちな聴音訓練を、感情を伴った音楽体験へと昇華させることができます。

 

 

遊びの中で育む「聴く力」

 

 

ラタトーンは、ゲーム感覚で楽しめるコンテンツを提供しています。「正解・不正解」に一喜一憂するのではなく、遊びに夢中になる中で、自然と音を聴き分ける力、音の連なりが持つ意味を感じ取る力が育まれていきます。

 

 

 

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まとめ:音楽を「自分ごと」にするために

 

 

ソルフェージュは、音楽という素晴らしい世界を探求するための羅針盤であり、地図です。しかし、地図の読み解き方ばかりを学び、冒険の旅に出るのを忘れてしまっては意味がありません。

 

大切なのは、そこで得た知識や能力を、音楽の感動や表現の喜びに繋げること。

もし、今のお子様の音楽との関わり方に、少しでも「作業」の匂いを感じたら、一度立ち止まってみてください。そして、音楽を「心で聴く」とはどういうことか、親子で一緒に探求してみてはいかがでしょうか。

 

ラタトーンが、その冒険の、楽しくて頼もしいパートナーとなれたら、これほど嬉しいことはありません。

 

 

さいごに

 

 

私たちはRatatone®の新たな形として、音で遊ぶカードゲームをリリースしました!
音楽に触れ合う前の「音を注意深く聴く」体験にフォーカスした、全く新しいオリジナルカードゲームをクラウドファンディンMakuakeにて絶賛公開中です!

 

 

 

 

「音のカードゲーム」は、視覚情報に頼らず、聴覚に全集中して遊びます。ゲームに夢中になるうちに、自然と音の違いを聴き分ける力、つまり「聴く力」が育まれる。そんな新しい音楽体験を目指しています。

 

 

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「神経衰弱」や「カルタ」、「ババ抜き」、「花札」など、なじみのあるゲームに「音」の要素を加えて、新しい遊び方にしました。 

特別なルールを覚える必要はなく、誰でもすぐに楽しめます。みんなが知っているゲームを少し工夫することで、気軽に音に集中して遊ぶことができます。  
さらに、いろいろなゲームを通して音を聴き続けるうちに、自然と音の楽しさや音に対する興味が深まっていきます。  

 


▼「音」のカードゲーム体験会の報告はこちら▼
【2025年7月活動報告】子どもも大人も聴覚に全集中!親子で楽しめる「音のカードゲーム」体験会&撮影会 in 静岡

 

 

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