「この黒いオタマジャクシ、暗号にしか見えない…」
かつてピアノのレッスンで、分厚い楽譜集を前に、そう絶望したことはありませんか?
あるいは、合唱の授業で、自分だけ楽譜のどこを歌っているのか分からず、必死に隣の子の口元を見て歌を合わせた、なんていう苦い思い出は。
そして今、お子さんが楽しそうに楽器に触れていたり、歌を口ずさんでいたりする姿を見て、ふとよぎる不安。
「この子には、自分と同じように楽譜でつまずいて、音楽を嫌いになってほしくない」
「でも、楽譜の読み方をどう教えたらいいか分からないし、無理強いして音楽そのものが嫌いになったら元も子もない…」
その気持ち、痛いほどよく分かります。
楽譜が読めなくても、音楽を楽しむことはできます。しかし、もし楽譜という「音楽の世界地図」を読み解くことができたら、お子さんの音楽の世界は、豊かに、そしてどこまでも広がっていくはずです。
実は、楽譜を「読み解く力」は、難しい訓練や生まれつきの才能がなくても、お家での”ある遊び”を習慣にするだけで自然に身につけることができるのです。
この記事では、かつて楽譜に挫折した親御さんだからこそ、お子さんにプレゼントできる「楽譜と仲良くなるための、全く新しいアプローチ」をご紹介します。それは、楽器も難しい理論も必要ない、「歌うだけ」というとてもシンプルな習慣です。
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なぜ、私たちは「楽譜」で挫折してしまったのか?
私も小さい頃、音楽教室へ通っていましたが、楽譜には苦労しました。
そもそも、なぜあんなにも楽譜を読むのが苦手だったのでしょうか。
今から思えば、それは「楽譜を読む」という行為が、「楽器を正しく弾くための作業」になってしまっていたからのように思います。
- 音符を解読する
- 正しい鍵盤(場所)を探す
- 正しい指で押さえる
- 正しいリズムで弾く
この複雑なマルチタスクを一度にこなそうとして、頭がパンク状態になっていました。
肝心の「どんな音楽が鳴っているのか」を感じる余裕はどこにもありませんでした。楽譜を見るたびに苦しい作業が想起されてしまい、どんどん苦手意識が膨らんでいきます。
楽譜はそんな窮屈なものではなく、作曲家が残してくれた「音楽の地図」であり「手紙(メッセージ)」だということに、大人になって気づきました。
楽譜には、「このメロディは、こんな気持ちで歌ってほしい」「この和音は、こんな景色を表現しているんだよ」という、作曲家の想いや設計意図が詰まっています。楽譜が読めるということは、そのメッセージを直接受け取り、時代を超えて作曲家と対話できるということ。それに気づくことができると、とてもワクワクした気持ちになります。
この「楽譜を読み解く楽しさ」を知る前に、演奏技術の壁にぶつかって音楽から離れてしまうのは、あまりにももったいない。では、どうすれば、子どもたちは楽譜を「苦しいもの」ではなく「楽しいもの」として認識できるのでしょうか。
その鍵こそが、音楽教育の「ソルフェージュ」の中に隠されています。
「歌」と「譜読み能力」の関係、「視唱」とは?
「ソルフェージュ」とは、音楽の基礎能力(読む・書く・聴く・歌う)を養うための総合的な訓練法です。そして、その中でも特に「楽譜を読む力」に直結するのが「視唱(ししょう)」です。
視唱とは、初めて見る楽譜を、楽器の助けを借りずに、その場で声に出して歌うこと。
「え、楽譜が読めないのに、いきなり歌うなんて無理!」
そう思いますよね。
しかし、ここに逆転の発想があります。
「楽譜が読めるから歌える」のではなく、「歌うことで、楽譜が読めるようになる」のです。
視唱の訓練は、私たちの脳に眠る、ある特別な能力を目覚めさせます。
それが「内的聴覚」です。
頭の中で音楽を正確に鳴らす能力「内的聴覚」
内的聴覚とは、一言でいえば「頭の中で、音楽を正確に鳴らす能力」のこと。
例えば、街で「きらきら星」の楽譜を見かけたとします。
その時、声に出さなくても、頭の中で「ドードー ソーソー ラーラー ソー」というメロディが自動的に再生されませんか?
これが、内的聴覚の働きです。
この能力が育てば、
- 楽器がなくても、楽譜があれば音楽を楽しめる。
- 初めて見る楽譜でも、頭の中でメロディが鳴るため、すぐに曲のイメージが掴める(初見に強くなる)。
- 自分の演奏や歌が、楽譜の音と合っているか・ズレているかを自分で判断できる。
といった、能力が手に入ります。
楽器の複雑な操作を一旦横に置いて、「楽譜を見て、自分の声で歌う」というシンプルな行為に集中することで、脳と楽譜がダイレクトに繋がり、この「内的聴覚」が効率的に鍛えられていくのです。
つまり、「視唱」は、「楽譜を見ながら、自分の声で音楽を組み立てる」とても良いトレーニングなのです。
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前回のブログでご紹介した「ソルフェージュ」という訓練の中の「聴音」と対になる訓練が「視唱」です。聴音は「音を聴く(インプット)、楽譜に書き起こす(アウトプット)」に対して、視唱は「楽譜を見る(インプット)、声で歌う(アウトプット)」という位置付けです。
どちらの能力にとっても、「音を聴き取る」という能力が土台になります。
【あわせて読みたい!】ソルフェージュってなあに?
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音楽能力の土台作り「ソルフェージュ」- 子どもだけでなく大人にも知ってほしい「本当の音感」
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内的聴覚を育むにはどうすれば良いの?
では、内的聴覚を育むために何をすれば良いのでしょうか?
いきなり「視唱」に挑戦するのは難しいので、まずはお子様が知っている簡単なメロディ(きらきら星などの童謡)を「聴いて、真似して歌う(模倣)」ことから始めることをお薦めします。
模倣は階名で
メロディを聴いて、真似して歌う時は、歌詞を歌うのではなく、音階の名前(階名)で歌います。
きらきら星を例にすると、「ドードーソーソーラーラーソー」というのが階名です。
メロディを聴き、聴こえた音の高さを階名で歌う。この繰り返しによって、メロディの流れと階名が結びつき、頭と体にどんどんと刷り込まれていきます。
ご自宅に楽器がない、という方は、YouTubeなどの動画を流しながら、お子様と一緒にお歌を歌ってあげると楽しく自然に音を感じ取ることができます。
お歌の後は、五線譜で
きらきら星を階名で歌えるようになったら、今度はきらきら星の五線譜を見てみましょう。
最初はよく分からないかもしれませんが、一音一音を声に出して歌いながら、五線譜に並んだオタマジャクシを指でタッチしていきます。
これを繰り返すことで、五線譜上のオタマジャクシの位置関係と自分の歌声がリンクされていきます。
でも、お家で教えるのは難しそう…?その悩みを「遊び」に変える方法
「なるほど、視唱や内的聴覚が大切なのはわかった。でも、親の私が正しい音で歌えているか自信がないし、そもそも子どもが楽しめるような簡単な楽譜なんて、どこで手に入れれば…」
そう、ご家庭で実践するには、いくつかのハードルがあります。
- 音程の正解がわからない
- 階名がわからない
- 子どもの興味を引く、楽しい楽譜がない
- すぐに「練習」になってしまい、親子で疲れてしまう
楽器があれば、楽譜に書かれた音の鍵盤をポンッと押せば、正しい音が鳴ります。でも、わざわざ楽器の前に座ったり、楽器をリビングに運んできたりするのも面倒な時があります。
しかも、小さなお子様にとっては、「勉強」や「練習」という雰囲気が出た瞬間にテンションが下がってしまいます。
リビングで座りながら、ゆったりとした気分で音楽に触れることができれば良いのに。。。
しかも、スキマ時間にサッと音を聴いて歌うことができれば、気軽に音楽に親しめるのに。
そんな嬉しい方法を実現したのが知育楽器「Ratatone®(ラタトーン)」です。
ラタトーンは、譜読みの前に「内的聴覚」を育むことを目的として開発しました。
まずは「内的聴覚」を歌って育む
ラタトーンは、特殊なデバイスで専用楽譜をタッチすると、美しい音が鳴る不思議な楽器。このシンプルな仕組みが、「視唱」のプレトレーニングに最適な環境を提供してくれます。
音楽が「見える」から、記号と音が楽しく結びつく
音楽が初めての方にとっては、五線譜はただの記号であり、とっつきにくく感じるものです。ラタトーン専用楽譜は、五線譜の苦手意識を軽減するためイラストを多用しています。まずは、「音を聴く、真似て歌う」ことを目的として、カラフルなイラストや色で、音の高さや長さが直感的にわかるようにデザインされています。
子どもたちは、絵本をめくるように楽譜に親しみ、「この絵をタッチすると、この音が鳴るんだ!」という発見を繰り返します。この「音と記号が一致する原体験」の積み重ねは、その後の譜読み能力獲得への確かな土台となります。
「正しいメロディ」をいつでも、好きなタイミングで聴く
ラタトーンは、イラストをタッチすれば「正しい音」が鳴ります。親が歌ってお手本を示す必要はありません。子どもはまず、ラタトーンで音を鳴らして「正解のメロディ」を聴きます。そして、その音を真似して歌ってみる。もし音がズレていても、もう一度タッチすれば、すぐに正しい音を確認できる。この「聴く→歌う→確認する」というサイクルを遊びの中で繰り返すことで、音のイメージが頭の中に自然と刷り込まれていきます。
演奏遊びの中で生まれる「見る→タッチする→歌う」のサイクル
ラタトーンで演奏遊びをすることで、音を聴いて歌うという基本ステップが、自然な遊びの流れの中に組み込まれます。
- 見る:カラフルな楽譜に興味を持つ
- タッチする(聴く):自分で音を鳴らして、メロディを聴く
- 歌う:聴こえた音を真似して歌ってみる
机に向かって「さあ、勉強するよ!」と構える必要は一切ありません。リビングのソファの上で、親子で楽しく演奏して歌うことで、いつの間にか「内的聴覚」を育むトレーニングができてしまうのです。
まずは頭と体で音を感じる、そこが譜読みの原点
聴こえた音を声に出して歌う。その繰り返しによって、音が頭と体にどんどんと染み込んでいきます。そのうち、聴こえた音がどんな音なのか、無意識的に捉えられるようになります。
あとは、徐々に捉えた音と楽譜の音とを照らし合わせていく。
譜読みの能力は、特別な「才能」ではありません。どれだけ音楽と楽譜が楽しく結びついた経験を持つか、その「わかった!」「できた!」という記憶の積み重ねによって育まれる「習慣」であり「技術」です。
「練習しなさい!」と叱る必要も、親であるあなたが音楽や楽譜に詳しい必要もありません。
必要なのは、子どもが安心して楽譜と遊び、音楽と戯れることができる、温かい環境だけです。
「楽しい!」と感じられる環境と経験は、子どもの自発的な行動を促すエンジンとなります。
かつて楽譜に少しだけ苦い思い出がある方にこそ、「本当に楽しい音楽」との出会いをプレゼントしてあげて欲しいと思います。
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