3歳は、子どもの発達においてとても重要な節目です。この時期に何を経験するかによって、その後の学習意欲やコミュニケーション能力、そして創造性の芽生えに大きな影響を与えることがわかっています。
特定の能力やスキルを吸収しやすいとされる「敏感期」のこの時期には、遊びながら学びを得るというアプローチがぴったりです。今回は、3歳児における発達段階とこの時期に育みたい能力、そして、心を育てる「音楽遊び」について解説していきたいと思います。

パズルのような知育おもちゃや、絵本とは異なった考え方から生まれた聴覚から創造力を育む知育楽器Ratatone®
3歳の子どもの特徴を知ろう
「プレゴールデンエイジ」での発達
スキャモンの発育曲線によると、人は生まれて5歳頃までに成人の80%の成長を遂げ、12歳までにほぼ100%まで達すると言われています。この時期は、神経系の発達が著しく、脳と筋肉の連携が強化される大切な期間と言われます。
この大切な時期において、「多種多様な運動」や「身体の協調性を養う活動」、「五感を刺激する活動」がその後の知的能力や創造性のベースになります。

モンテッソーリ教育が示す「敏感期」
モンテッソーリ教育によると、3歳のこの時期は 「敏感期」と呼んでいます。特定の能力やスキルを吸収しやすい時期とされ、五感を刺激し、感覚を研ぎ澄ますような教材を用いることで、強固な感覚基盤の構築を求めています。
「子どもは自分自身で学びを得る能力を持っている」という考えのもと、子どもたちが自分自身で学べる環境の提供、教材の提供が重要としています。親や指導者は子どもへの過度な干渉は避け、適切なサポートをするためのガイド役であることが重要です。

3歳児期間に重要な「五感を刺激する環境の提供」
神経系の発達が著しい3歳児の期間には、五感を刺激し、感覚を研ぎ澄ますような多種多様な経験が得られる「環境の提供」が重要だと考えられます。
では、「五感を刺激する環境の提供」とは何かを説明する前に、3歳児の子ども達はどのような発達段階にあるのかを詳しくみていきたいと思います。
3歳児の発達
3歳の子どもは、身体面、認知面、言語面、社会性の面で大きく成長します。
身体の発達と運動能力
- 片足立ちやつま先立ちなどバランス感覚が向上
- 折り紙やボタン留めといった細かい手の動作も可能に
言語能力の急成長
- 語彙数は500〜1000語に増加し、3語文で会話ができるように
- 絵本の読み聞かせを通じて、言語能力と感受性が育つ
認知能力と非認知能力の基礎が育つ
- 「なぜ?」「どうして?」の質問が増え、考える力が芽生える
- ごっこ遊びなどでルールや社会的役割を学ぶ
- 喜怒哀楽の感情が豊かになり、他者の気持ちに気づきはじめる
3歳児期間に育みたい能力
3歳のこの時期は「遊びが学び」。子どもが自分から「やってみたい!」と思える環境を整えてあげることが一番大切です。
- ごっこ遊びで言葉と想像力
- 音楽遊びでリズム感と感性
- ブロックや音楽遊びで創造力と考える力
- 絵本で言語力
このように、遊びを通して楽しみながら自然に能力が身に付きます。
では、3歳のこの時期に、どのような能力を育んでいきたいか、もう少し具体的にみていきましょう。
言語能力
-
語彙力の増加
- 絵本の読み聞かせや会話を通して、新しい言葉や表現方法を育みます。
-
質問する力
- 「なぜ?」「どうして?」といった質問が増えるこの時期に、質問に応じた答えや対話を通して好奇心を刺激します。
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言葉で伝える力
- 絵本の内容やその日の出来事について話すことで、論理的思考や記憶力を育みます。

創造性と想像力
-
自由な遊び
- ごっこ遊びや積み木あそびなど、自由に発想し遊ベる環境を提供することで、自己表現の土台を形成します。
- 色や音、形に反応したり、美しいと感じる機会を提供することで、創造力や自己表現の土台を形成します。
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創造的活動
- お絵描き、粘土遊び、工作など、想像したものを形にする機会の提供は、自己表現の土台を形成します。
- 創造的活動は正解のない遊びなので、自由な発想で物を生み出すことの楽しさを体感し、新たな創造性を刺激します。
- 想像したものを形にする過程で直面する大小さまざまな問題に対して試行錯誤することで問題解決能力を育みます。
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自然体験
- 外遊びや自然観察は、子どもの好奇心と想像力を豊かにします。

考える力
-
論理的思考
- パズルや積み木など、物事の違いや順序などを理解する遊びを通して、物事の因果関係を学ぶ基礎になります。
-
問題解決力
- 遊びを通して失敗から学ぶ経験をすることで、「なぜ?」「どうして?」を自分で考え、解決する姿勢を育てます。

伝える力
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他者との協力
- ごっこ遊びなどを通じたお友達や家族との関わりの中で、協力することの楽しさや大切さを学びます。集団生活の基盤にもなります。
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コミュニケーション能力
- 遊びの中で感情を言葉や身振り手振りで伝えることで、自己表現の練習となり、他者との関わり方を学びます。
-
ルールの理解
- 遊びの中でルールを学ぶことで、他者との関わり方を学び社会性を育みます。
身体能力
-
運動能力向上
- 走る、飛ぶ、登るなど自由に体を動かすことで体幹やバランス感覚、リズム感を育みます。
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手先の器用さ
- 積み木遊びや折り紙などで指先の細かな動きを促すことで、文字や道具を扱う繊細な力の使い方を学びます。
絵本の読み聞かせを通した親子のコミュニケーション、ごっこ遊びや積み木遊び、お絵描きや工作などの創造的遊びなど、遊びによって発達する能力は様々です。
「音楽遊び」でバランスの取れた感覚刺激
アタマ、カラダ、ココロをバランス良く育む方法の一つとして「音楽遊び」があります。「音楽遊び」とは、音楽を積極的に取り入れた遊びで、「リズム遊び」や「手遊び歌」、「楽器遊び」などが挙げられます。

では、「音楽遊びでバランスの取れた感覚刺激」とはどういうことなのでしょうか。
少し説明してみます。
少し説明してみます。
音楽遊びは、音楽を聴いたり、歌ったり、身体を動かしたり、楽器を叩いたりといった楽しい活動の中に、「感じる力」、「考える力」、「身体制御能力」を同時に刺激する要素が含まれています。聴覚的な能力と身体的な能力を同時に用いる複雑な脳処理が必要であり、脳と身体協調性をバランスよく育むとても良い題材なのです。
聴く力
音楽遊びにおいて、一番重要であり、基盤となる力が「聴く力」です。
聴こえた音楽からリズム、音の高さ、メロディ、音の機能、音楽の雰囲気を感じ取ることで、次の表現する力(歌う、弾く)に繋がります。
特に小さい年齢の時期において「リズム感」は重要で、音楽やダンス、スポーツといった身体能力だけでなく、言語学習をも含む多様な分野で重要な能力とされています。
育む能力:認知能力、想像力、音感、リズム感、言語能力

歌う力
「聴く」ことで捉えた音楽を声に出して「歌う力」です。
季節の歌や動物などが出てくるお歌を歌うことで、情景をイメージしながら歌声や表情など全身で表現する力に繋がります。
また、歌詞やリズムを通して、語彙力や発音の向上にも繋がります。
育む能力:表現力、創造力、言語能力

弾く力
聴こえた音楽を楽器演奏で再現したり、音楽に合わせて演奏する力です。
打楽器は聴こえたリズムに合わせて楽器を叩く、鍵盤楽器はメロディに合わせて鍵盤を押すなど、歌う力とは異なる身体能力を育みます。音楽と身体を連動させることは、神経系の発達にも有効です。
育む能力:創造力、表現力、社会性、身体協調性

非認知能力
心や行動のスキルと呼ばれ、人格形成に関わる、幼児期に発達が重要とされる能力です。
複数人で行う合奏や合唱などの協働活動、親子の関わりによって育まれる能力です。
育む能力:意欲、好奇心、忍耐力、協調性、自制心、自己肯定感、感情コントロール
音楽遊びの具体例
手遊び歌
「大きな栗の木の下で」や「アイアイ」といった手遊び歌は、手の動きと歌詞が連動し、言葉の習得と身体の連携が自然に身につきます。
リズム遊び
音楽に合わせて決まったリズムを打つことで、ルール理解や集中力、自己表現力が育まれます。楽器がなくても、手拍子だけでも音楽に合わせて一緒に楽しむことで、子どもが「できた!」という達成感を得られるので、その後の挑戦意欲や自己肯定感を高めます。
楽器遊び
太鼓やタンバリンなどの打楽器を使って、リズムに合わせて音を出して遊びます。手遊びとは異なり、楽器による音色の違いも一緒に楽しめます。音楽の中のシーンに合わせて楽器音色を工夫して変えることで表現力の向上にも繋がります。
音楽が苦手な方におすすめしたい音楽遊び
「音楽は好きだけど、自分は音痴だしリズム感もないから、子どもに教えるのは難しそう…」
そんな不安の声をよく耳にします。でも、安心してください。音楽遊びに“正解”や“上手い・下手”はありません。
むしろ、音楽が苦手でも、親子で一緒に楽しむこと、親子で失敗を笑い合う経験は、『失敗しても大丈夫』という安心感を生み出し、それが自己肯定感や挑戦意欲といった非認知能力の土台となります。まずは、手拍子や歌といった方法だけでも十分です。「正しいやり方」よりも「楽しい体験」が優先です。
でも、手拍子や歌に加えて、もう少し刺激が欲しいという方におすすめしたい音楽遊びがあります。絵本の読み聞かせをするように親子で楽しめる、子ども自身が自発的に音楽遊びができる知育玩具「ラタトーン」をご紹介します。
もっと手軽に音楽遊び!聴覚を刺激する知育楽器「ラタトーン」

「ラタトーン」は、「いつでも手の届くところにある楽器」として、専門的な音楽知識や技術がなくても、誰もが直感的に音楽表現を楽しめる知育楽器です。
色や形で視覚的にわかりやすく設計された専用楽譜をタッチするだけで、誰でも簡単にメロディを奏でられます。このシンプルな仕組みによって、子ども自身が主体的に音楽を表現するという体験が可能になります。従来の楽器のように練習を重ねる必要がなく、初めて触れる人でもすぐに音楽演奏の喜びを体験できます。
ラタトーンの特徴1「小さなお子様でも直感的に演奏できる」
<特徴>
- 楽器の練習は必要ありません
- タッチするだけでメロディや和音が演奏できます
- 楽器が初めてでも音楽を奏でる楽しさを体験できます

ラタトーンの演奏に音楽知識は一切必要ありません。だから、音楽が苦手な方でも安心して「音楽遊び」を体験していただけます。
しかも、専用楽譜に色彩豊かに描かれた音の一つ一つをタッチして演奏するため、自分の手で演奏した感覚によって達成感を感じることができます。
ラタトーンの特徴2「聴くことに集中し、聴く力を育てる」

リズムやメロディに集中することで、自然と聴覚トレーニングになります。
3歳児の「敏感期」のお子様には、「音を聴く」ことに集中することが重要だと考えます。リズム、音の高低、メロディ、和音、音楽の雰囲気など、音楽から得られる要素を耳からインプットすることで、「聴く力」を育みます。
これまで、小さなお子様にとって楽器演奏はハードルが高いものとされていました。特に音程楽器を演奏するためには、まず音程楽器の音の鳴らし方を学ぶ必要があり、自分の思い通りに演奏するまでにとてつもなく長い練習という道のりがありました。
ラタトーンは、直感的な操作で単音、和音、メロディを奏でられるため、子どもは余計なストレスなく音に集中でき、自然と“聴く”体験が深まります。結果として、聴覚を育てる環境づくりに繋がります。
ラタトーンの特徴3「協調性が育つ合奏体験」

ラタトーンのもう一つの重要な特徴は、協働による合奏体験です。家族や友人と一緒に演奏することで、リズムやテンポを合わせる楽しさを共有できます。この協働体験は、音楽を通じたコミュニケーション能力の向上にも貢献します。
また、視覚的にわかりやすいデザインと音楽理論に基づいた専用楽譜設計により、子どもだけでなく大人も楽しみながら音楽の本質に触れることができます。
絵本の読み聞かせのように取り入れる音楽
3歳よりも小さなお子様にとっては、楽器の操作はまだ不慣れで上手く音楽を奏でることができません。そんな方々にとても人気な楽譜が、タッチすると面白い効果音が鳴る「効果音シート」です。
可愛くて笑えるカートゥーンボイス、YouTubeの効果音に出てきそうなビブラスラップなど、タッチして音が聴こえるたびに子ども達が大笑いする効果音が詰まったシートです。

ラタトーンは演奏がとても簡単なので、音楽が苦手な親御様にとってもいつでも気軽に音楽を即興演奏することができます。まるで絵本の読み聞かせをするように、親御様の生演奏で音楽遊びをしてみませんか?
親御様の生演奏でお子様と一緒にお歌遊びやリズム遊びをすることで、音やリズムに触れる時間を生活の一部にしてみましょう。
最後に:3歳の音楽遊びは未来の可能性をひらく鍵
3歳の発達段階での音楽遊びは、単なる「遊び」にとどまりません。子どもの知的成長(認知能力)と、感情的・社会的成長(非認知能力)の両方を支える「学びの基礎」なのです。
お子様と一緒に絵本の読み聞かせを楽しむ感覚で、家庭でも十分に音楽遊びを実践できます。
未来を生きる力を育てるために、今日から「音」で始めてみませんか?
「読むと音楽が楽しくなる!」ブログ記事一覧
▼Ratatone®公式サイト▼ 創造力を育むラタトーン
Labnote01:「調の不思議」
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Labnote02:スケールのはなし - 「っぽい音楽」のフシギ
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Labnote03:コード(和音)って何?
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Labnote04:ミニマルな世界に刺激を生む「F」コード
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Labnote05:リズム - 童謡で体感する拍と拍子
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Labnote 06 : 音名・階名のコト
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魔法のコード(和音)
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