Labnote05:リズム - 童謡で体感する拍と拍子

Labnote05:リズム - 童謡で体感する拍と拍子

音楽を構成する要素の一つに「リズム」があります。

カラオケで歌が苦手な方が、リズムを改善することで劇的に上手く歌えるようになる、と言われるほど、リズムは音楽において重要な要素の一つとなります。今回は、その「リズム」についてお話ししていきたいと思います。


[目次] 

・リズム?ビート?
・拍と拍子を捉える
・グレーの色玉はお休みの音


リズム?ビート?

4拍子、8(エイト)ビート、ラテン、アフリカンリズムと言った単語を一度は聞いたことがあると思います。8ビートは、タタタタと音が走るようなスピーディな音楽のイメージで、アフリカンリズムは太鼓の音と大地を踏み鳴らすユニークで独特な音楽のイメージが思い浮かぶのではないでしょうか。でも、拍子だったり、ビートだったり、リズムだったり呼び方色々で少々混乱します。

整理してみると、

リズム : 一定の間隔で刻まれる音
ビート : リズムに強弱を付け加えたもの

という感じになります。まだよく分かりませんね。
リズムとビートは異なるようだ、ということで先へ進みましょう。

では、基本となる「リズム」についてみていきます。
リズムは
「拍」、「拍子」、「小節」という3つの要素の組み合わせによってできています。

・拍 :音(時間)の単位
・拍子:小節の中の拍の集まり(連なり)
・小節:音符を入れる箱

ストレッチの掛け声「イチ・ニ・サン・シ」に例えてみましょう。 ここでは「イチ」や「ニ」が拍となり、「イチ・ニ・サン・シ」が拍の集まりの拍子となります。そして、拍がまとまって箱に入ったものが小節となります。 ですので、この場合のストレッチの掛け声は4つの拍がまとまった「4拍子1小節」である、といえます。

ストレッチの時間が増えて、「『イチ・ニ・サン・シ』『ニ・ニ・サン・シ』」まで続くと、小節が一つ増えるので「4拍子2小節」ということになります。このように、音楽は時間が長くなると小節の数も増えていきます。

拍にもいろんな大きさがあります。先ほどのように、1小節の中に4拍入るだけでなく、2拍であったり、3拍であったり様々です。このように、小節内の拍数の組み合わせによって複雑なリズムが作り出されます。(小節内に4拍入ることを4拍子、8拍入ることを8拍子と呼び、これがエイトビートの基本となります。ロックのリズムではエイトビートが多用されるようですね。)

拍と拍子を捉える。

今、聴いている音楽がどんなリズムなのか。リズムを捉えるには、拍と拍子を捉えることが必要です。音楽教室であれば、音楽を傾聴することで、拍を読み解き、拍子の始まりがどこにあるのかを探る練習をされるのでしょうが、ここでは少しグラフィックの力を借りて直感的に捉えていきたいと思います。

こちらはラタノーツ「おつかいありさん」です。ラタノーツをよく見ると、歌詞と色玉が表示されています。そして、色玉には大小2つの種類があります。他にもグレー表示されたものも見られますね。

何のルールにも縛られず、自由に演奏してみるとこんな感じになります。
色玉のところだけをタッチして、グレー表示はタッチせずに無視して演奏してみました。

聴いたことがあるメロディですが、本来の「おつかいありさん」の音楽になっているかというと疑問が残ります。タイミングがずれているような違和感を感じますでしょうか?

比較対象がないと、少し分かりにくいかもしれませんね。
では次に、色玉だけでなく、グレー表示もタッチすることで、
拍を意識して演奏してみます。

いかがでしょう?

「タイミングのずれによる違和感」は軽減されたのではないでしょうか。
音が出ている時も出ていない時も、ある一定の時間の流れを感じられたと思います。

では次に、本来の「おつかいありさん」のリズムに合わせて演奏してみます。
こんな感じです。

こちらがおよそ正しいリズムでの「おつかいありさん」となります。
まるで、ありさん達がウキウキ陽気にスキップしながらおつかいしている雰囲気が出ています。
タッチの強弱、グレーの色玉をタッチ、この違いだけで音楽表現はガラッと変わります。

楽曲本来のリズムを用いることは、作者の表現の意図を汲み取り、正しく再現することにつながります。リズムが異なると全く別の音楽になってしまいかねません。

「音楽はもっと自由だ!これが私のリズムだー!」という考え方も一理あります。表現の自由ってやつですね。

音楽も一つの作品ですので、作品自体には作者が伝えたい想いや感じてほしいニュアンスが込められています。ですので、作者の意図を汲み取った上で自分の表現をプラスαしていきたいですね。作者への敬意を込めて。

さて、「おつかいありさん」は、小節の中に拍が2つ入った「2拍子」で作られています。小節の中で、最初の拍を捉えることができれば、この音楽がどんなリズムで表現されているのか理解することができます。

Ratatnotesでは、小節での始まりの拍にフォーカスしやすくするため「大きな色玉」で表現しました。1拍目の大きな色玉は「強めにタッチ」してもらうことが分かるように視覚的に大小の差別化を図っています。これは、1拍目を意識してもらうことで、拍子感を体感してもらいやすくするための工夫となります。

グレーの色玉はお休みの音

「おつかいありさん」では、他にも大小グレーの色玉が表現されています。ここは、音が休止する場所を示しています。いわゆる音楽用語での「休符」と呼ばれる箇所です。

なぜ、わざわざ音が休止する場所をグレー表示しているのでしょうか。それにはちゃんと理由があります。

音楽には、一定の規則正しい時間が流れています。音が鳴っている時だけでなく、音が無いときも時間は流れ、拍を刻んでいます。音が無いので、耳は頼れません。頼れるのは自分の体内時計のみ。

 

音が無い「休符」のタイミングで、いかに正確に拍を刻むことができるか、というのも音楽を表現する上で重要なポイントになります。ラタノーツでは、色玉もグレーの色玉も関係なく、全ての色玉を一定の拍と拍子でタッチします。色玉では音が鳴り、グレーの色玉では音がなりません。これにより、拍感と拍子感だけに集中しながら、正しい音楽を演奏することができるのです。

 

2拍子の音楽、他にも。

「おつかいありさん」と同じ2拍子の音楽は他にもあります。「おつかいありさん」で慣れてきたら、同じ拍子感で「ももたろう」も演奏できます。ぜひお試しください。

では、今回のlabnoteはこの辺で。


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