私たちは日々の暮らしの中で、映画や絵画、音楽、自然や人のふるまいに触れて「感動体験」を味わっています。この「感動」は、直感的に心が動かされる場合もあれば、過去の経験や知識、文脈的理解をもとに生まれることもあります。
幼少期の感動体験は、自己肯定感、自己効力感、知的好奇心やチャレンジ精神を高めることにつながると言われています。しかし、まだ体験も経験も未熟で、知識も文脈も持たない純粋無垢な子どもたちにとって、「感動」はどのようにして起きるのでしょうか?
そしてそれは、大人が経験する感動とどのように違うのでしょうか?
本記事では、子どもにとっての「感動」がどのようなものかを、「原初的な感動」というキーワードを軸に掘り下げていきます。
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感動とは「心が動くこと」
「感動」は、「感(かんじる)」+「動(うごく)」で構成される言葉です。つまり、感動とは本質的に「心が揺れ動く体験」と考えられます。
大人にとっての感動は、意味づけや価値判断、知識や経験による理解といったものが影響します。一方、子ども、特に未就学児においては、物語の背景や構造、象徴的意味などは理解していない場合がほとんどです。
では、彼らは感動できないのでしょうか?
答えは「いいえ」です。
むしろ、彼らの感じる感動は、私たち大人が忘れかけている純粋な感情のゆらぎ=原初的な感動であるとも言えるのです。
子どもの五感が揺さぶられる原初的な感動体験
赤ちゃんが風にふかれて笑う。小さな子どもが、初めて聴いた音楽に合わせて体を揺らす。キラキラした光に目を見開いてじっと見つめる。
これらの反応は、すべて「知識」や「意味づけ」を伴わない、感覚的で直接的な情動反応です。
この段階の感動には、次のような特徴があります。
- 五感による刺激(音、色、光、触感など)への反応
- 安心、不安、喜び、驚きといった基本的な情動
- 意味を理解していなくても起こる心の動き
つまり、これは「新しい発見や体験」をきっかけにして心が反応している状態ではあるものの、 大人のように「なぜそれが新しいのか」「それに何の意味があるのか」といった意味づけを経ていません。「知らなかったことを知る」「初めての体験をする」ことがトリガーとなり、子どもたちの心が大きく揺れる。これが、子どもにおける「原初的な感動」の本質です。
感動の発達段階と心の成長
感動は、成長とともに少しずつ変化し、複雑になっていきます。
-
感覚的感動(0〜3歳)
- 音、光、触感、色などの感覚刺激に対して、無意識に心が動く。
- 「理由なき感動」の段階。
-
情緒的感動(3〜6歳)
- 簡単な物語への共感、他人の表情や行動に感情を重ねるようになる。
- 「やさしい人にじーんとする」「泣いているキャラを見て悲しくなる」などの反応が見られる。
-
認知的感動(6歳〜)
- 背景や文脈、努力や挫折といった人間関係や社会性の理解が加わる。
- 意味を読み取って心を動かす、いわゆる"大人的な感動"へ。
このように、感動は先天的に備わっている部分と、発達によって育まれる部分が重なり合って育っていくものです。
感動の種をまく - 子どもの感動を育てる方法?
感動は、ただ偶発的に生まれるだけのものではありません。心が揺れ動く環境を与えられてこそ、感動は芽生え、育ちます。<子どもにとっての感動は、経験のひとつひとつが心の引き出しに格納され、やがて「人を思いやる」「美しいと感じる」「違いを受け入れる」などの深い感情や価値観に育っていきます。
つまり、感動の種をまくとは、
- 感受性の扉を開くこと
- 他者を思いやる心の土台をつくること
- 想像力や創造性の基礎を育むこと
につながるのです。
だからこそ、大人の役割は、「意味を教えること」よりも、できる限り多様な感動体験を提供することが重要です。「体験の提供者」であると同時に、「共感の伴走者」でもあるべきなのです。
何気ない日常のなかで、子どもが何に目を輝かせているか、何に心を動かされているかに敏感になり、それを一緒に味わうこと。これが、感動という芽を未来へつなぐ、大切な行為となります。
- 美しい音楽を一緒に聴く
- 自然の中で過ごす
- 読み聞かせで物語を共有する
- 感情を言葉にする習慣をつくる
- 驚きや疑問を一緒に楽しむ
このような体験が、子どもたちの原初的感動を育み、それがやがて意味ある感動へと育っていきます。
子どもの感動は、大人のように深くは語られません。けれども、「すごい!」「なんで?」「うれしい」「こわい」といった素直な反応の中に、未来の共感力や創造力の芽が隠れているのです。
音楽やアートが与える「感動」の力
子どもが初めて触れる楽器の音、絵の具の感触、ダンスのリズム。
これらの芸術体験は、五感を刺激し、感情を動かす非常に有効な手段です。特に音楽は、言葉を超えて感情に直接働きかける力を持っており、発達心理学の分野でも幼少期の音楽経験が脳の発達にポジティブな影響を与えることが報告されています。
音楽やアートといった活動に取り組むことで、子どもたちは自由な表現を楽しみながら、想像力と創造力を育てていきます。このような体験を積み重ねることは、「感動」を受け取るだけでなく、自分自身が何かを「生み出す」側になるきっかけにもなります。
音楽を奏でる、という感動体験
音楽には、人の心を動かし、明るくし、楽しい気持ちにさせてくれる不思議な力があります。その事実は、紀元前5000年頃から現在にいたるまで音楽がずっと生き続けていることからも明白です。
これまで、小さなお子様にとっての音楽は、「聴く」「歌う」「踊る」の選択肢のみで、「演奏する」ことについてはあまり語られていませんでした。その理由は、「楽器の難しさ」にあります。
もしも、誰でも簡単に演奏できる楽器があれば、音楽の本質である「音の響き」に耳を傾けながら、「自分の手で音楽を生み出す」という刺激的な体験ができるはずです。音楽を演奏する、自分の手から音楽が生まれるという驚き、親子の合奏で音が重なり合った時の嬉しさと達成感は、これまで味わったことのない感動を心に刻みこみます。
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「音楽を演奏する楽しさ」をすべての人に
「ラタトーン」は、「いつでも手の届くところにある楽器」として、専門的な音楽知識や技術がなくても、誰もが直感的に音楽表現を楽しめる知育楽器です。
タッチするだけで50種類近くの楽器音色を演奏でき、「聴く」「歌う」「演奏する」「音を創る」といった音楽の楽しさをいつでもご家庭で体験していただけます。
ラタトーンの特徴1「小さなお子様でも直感的に演奏できる」
- 楽器が初めてでも、楽器練習なしで音楽を奏でる楽しさを味わえます
- お子様が好きな音楽を直感的に演奏できます
- タッチするだけでメロディや和音が演奏できます
ラタトーンの演奏に音楽知識は一切必要ありません。だから、音楽が苦手な方でも安心して「音楽遊び」を体験していただけます。しかも、専用楽譜に色彩豊かに描かれた音の一つ一つをタッチして演奏するため、自分の手で演奏した感覚によって達成感を感じることができます。
ラタトーンの特徴2「ゲーム感覚で楽しめる」
音の迷路や音クイズ、二人の協力プレイで曲の演奏をコンプリートする合奏ゲームなど、遊びを通じた演奏体験によって子どもたちの「音楽って楽しい!」という気持ちを引き出します。
この「楽しい」という気持ちは、子どもたちの「もっとやりたい!」を引き出し、能動的に音楽を楽しもうとする気持ちを芽生えさせてくれます。この経験の積み重ねによって、チャレンジする力、達成感、主体性を育むことにつながるのです。
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ラタトーンの特徴3「協調性が育つ合奏体験」
ラタトーンのもう一つの重要な特徴は、協働による合奏体験です。家族や友人と一緒に演奏することで、リズムやテンポを合わせる楽しさを共有できます。この協働体験は、音楽を通じたコミュニケーション能力の向上にも貢献します。
合奏は、二人もしくは三人が呼吸を合わせて音を合わせる必要があります。最初は上手く音が合わないかもしれません。何度か演奏していると、音が調和した美しい響きに気づくことがあります。最後に全員の音が揃った時のなんともいえない達成感は、演奏した本人のみが味わえる感動体験となります。
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おわりに
アインシュタインが残した言葉の中にこんな言葉があります。
重要なのは、疑問を持ち続けること。
知的好奇心は、それ自体に存在意義があるものだ。
(引用:九州大学附属図書館 "素粒子理論に至る道: 現代物理学への扉")
子どもたちは知的好奇心のかたまりであり、世界に対して常にオープンです。
それもそのはず。子どもたちにとっては、この世界のすべてが新しい発見なのですから。
その柔軟な頭と心に、どれだけの感動の種をまけるか。それが子どもたちの未来を左右します。
私たちがすべきことは、子どもたちの心が動く瞬間に立ち会い、見逃さずに育てていくこと。それが、豊かな感受性と学びの芽を育てる一歩になるのです。
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