「才能がない」は誤解!大人のための音感の鍛え方|『翼をください』を題材に数字で音楽を読み解く新習慣

「才能がない」は誤解!大人のための音感の鍛え方|『翼をください』を題材に数字で音楽を読み解く新習慣



テレビで発見!みんなに備わる相対音感



先日、朝のテレビ番組で面白い企画を目にしました。それは「オリジナルKey当てクイズ」というもの。


同じ曲が4回流れるのですが、それぞれキー(音の高さ)が微妙に違います。回答者である芸能人の方々は、「これがオリジナルだ!」「いや、こっちの方がしっくりくる」と、頭を抱えて真剣に悩んでいました。


皆さんも、もしその場にいたらきっと悩むはずです。なぜなら、どのキーで聴いても「その曲」であることは間違いなく伝わってくるからです。



ここで重要なことに気づきませんか?



芸能人の方々も、そして画面の前で見ている私たちも、「キーは違っても、音楽の輪郭(メロディやコードの流れ)は完璧に捉えられている」ということです。

実はこれこそが、私たちが生まれ持っている微弱な、しかし確かな「相対音感」の力なのです。





「音楽には絶対音感が必要だ」
「自分には才能がないから、耳コピなんて無理だ」



もしあなたがそう思って楽器をクローゼットに眠らせているなら、それは非常にもったいないことです。この記事では、国民的合唱曲であり、今やJ-POPのスタンダードでもある『翼をください』を題材に、あなたの中に眠っている「相対音感」をフル活用して、音楽を構造から理解する「大人の学びなおし」を提案します。





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音楽に「才能」は必要?絶対音感の誤解と「相対音感」の真実



多くの人が「音楽ができる人=絶対音感がある人」というイメージを持っています。しかし、楽器演奏や耳コピ、さらには作曲において、本当に重要なのは「相対音感」です。



絶対音感と相対音感の違い




絶対音感:
基準となる音がなくても、単音を聴いただけで「これはレのシャープだ」とピンポイントで当てられる能力。主に幼少期の限られた時期にしか身につきにくいと言われています。


相対音感:
基準となる音に対して、次の音が「どれくらい離れているか」や「どんな役割(響き)を持っているか」を感じ取る能力。これは大人になってからでも、独学で十分に鍛えることが可能です。



先ほどのテレビ番組の例で言えば、どのキーで聴いても「翼をください」だと分かるのは、音と音の「関係性(構造)」を脳が理解しているからです。


音楽を「点(単音の集合)」で捉えるのではなく、「線(響きの流れ)」で捉える。この視点の切り替えこそが、挫折しない音楽学習の第一歩となります。



なぜ大人は楽器に挫折するのか?「コード名」という迷宮



ピアノでもギターでも、独学を始めると必ず「コードブック」を渡されます。C, G, Am, F...。これらを一生懸命暗記して、指の形を覚え、楽譜を追いかける。





しかし、ここで最大の壁が立ちはだかります。


「キーが変わると、コード名が全部変わってしまう」


Cのキー(ハ長調)では「C → G → Am → F」だったのに、キーを歌いやすい高さに少し上げたら「D → A → Bm → G」になった。せっかく覚えた指使いも、コード名も、すべて白紙に戻ってしまう。



この「キー(調)への依存」こそが、大人が音楽を「複雑で、才能が必要な暗記科目」だと感じてしまう最大の原因です。





「Ratanotes(ラタノーツ)」で音楽を数字で読み解く



そこで私たちが提案するのが、従来のコード名に代わる、数字(度数/ディグリー)による理解です。



Ratanotesの最大の特徴:数字(度数)表記


私たちが開発した専用楽譜「Ratanotes(ラタノーツ)」では、コードを「1, 2, 3, 4, 5, 6」という数字で表しています。



  • 一般的な楽譜: キーごとに「C」や「G」などの固有のコード名を覚える(調依存)。
  • Ratanotes: どのキーでも「1度(いちど)」「5度(ごど)」という響き(役割)で捉える(調に依存しない)。



例えば、どんなキーになっても「1度 → 5度 → 6度 → 4度」という響きの流れ(設計図)は変わりません。この数字で捉える視点を持つだけで、あなたの頭の中にある音楽の風景は、驚くほど整理されます。



ちなみに、度数(ディグリー)の概念は、海外の某有名音楽大学で教えられており、主にジャズ界隈では当たり前に使われています。





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『翼をください』に隠されたヒットの法則「カノン進行」



今回題材にする『翼をください』(作詞:山上路夫、作曲:村井邦彦、1971年リリース)は、なぜ半世紀以上も歌い継がれているのでしょうか。


その秘密の一つは、この記事のシリーズでも紹介した「カノン進行」にあります。



カノン進行とは?


ヨハン・パッヘルベルの『カノン』に由来する、「1 → 5 → 6 → 3 → 4 → 1 → 4 → 5」というコード進行のパターンのことです。

あいみょんの『マリーゴールド』やスピッツの『チェリー』など、日本のヒット曲の多くにこの進行が使われています。





『翼をください』のサビを数字(度数)で見てみましょう。


(1)おおぞら(5)につば(6)さをひろ(3)げ とん
(4)でいき(1)たい(b7)よ(5)かな



いかがでしょうか。一部を除いてカノン進行の基本形が用いられています。


つまり、『翼をください』が弾けるようになれば、構造上すでに『マリーゴールド』も弾けるということ。そして、この「響きのパターン」を耳で覚えることが、最強の耳コピ独学術になるのです。



【実践】4つのステップで『翼をください』をマスターしよう!



それでは、お手元にRatanotesの楽譜とRatatone、あるいは楽器(ピアノ、ギター、または楽器アプリ)を準備して、実際に体験してみましょう。


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STEP 1:歌詞に合わせてコードを鳴らし「響きの流れ」を感じる


まずは細かい指使いは気にせず、歌詞の上に書かれた数字に合わせて、その「響き」と「響きの流れ」を感じてみてください。



・1(いち): どっしりとした安心感、お家に戻ってきたような響き。

・4(よん): 少し視界が広がるような、爽やな響き。

・5(ご): 次の展開へ向かうドキドキ感、1に戻りたくなる緊張感。

 

「あ、ここで明るくなったな」「ここでちょっと切なくなったな」という感情の移り変わりを数字と結びつけることが、相対音感を鍛えるトレーニングになります。



STEP 2:コードの構成を「目」で眺めてみる


Ratanotesを眺めると、Aメロ・Bメロで、どの数字が頻繁に使われているかが視覚的に分かります。
『翼をください』をよく見ると、AメロとBメロでほぼ同じコード進行が使われていることに気づくはずです。





ということは、Aメロのコード進行、カノン進行の二つを理解できれば、一曲丸ごと演奏できてしまうということが分かります。



STEP 3:コードボックス(ダイアトニックコード)で演奏してみる


楽譜の下部にある「コードボックス」を見てみましょう。
そこには、その曲で主に使用される6つのコード(ダイアトニックコード)がまとめられています。





実は、世の中の多くの曲、例えば『ことりのうた』や『かわいいかくれんぼ』といった童謡から、最新のJ-POPまで、その8割から9割はこの基本の6つのコード(1〜6度)だけで演奏できてしまいます。



まずはこの6つの「関係性」をマスターしましょう。



STEP 4:手持ちの楽器に応用してみる


構造が理解できたら、いよいよ楽器の出番です。
Ratanotesには数字の右下に、その時のキーに応じた具体的なコード名(C, G, Amなど)も記載されています。


・数字で「響きの流れ」を理解する。

・具体的なコード名を見て指を動かす。

 

この2段階を踏むことで、「ただ指を動かすだけの作業」が「音楽を構築する楽しい遊び」に変わります。



耳コピ・独学が可能に!「1曲弾ける」の先にある一生モノのスキル



『翼をください』を度数でマスターしたあなたには、すでに新しい音楽の設計図を手にしています。

次にラジオやYouTubeで『明日があるさ』を聴いたとき。
あるいは、お子さんが練習している『ドレミファソラシドの音』を聴いたとき。



「あ、今の響きは『4 → 5 → 1』だな」
「これは『マリーゴールド』と同じカノン進行だ!」



そんな風に、音楽が「設計図」として聴こえてくるようになります。これこそが、大人が手に入れるべき「音感の鍛え方」の本質です。

既に音楽教室に通っている方もそうでない方も、この「視点」さえあれば、日常に流れるすべての音楽が、あなたの耳コピ独学の教材に変わります。


 

お子様の教育にも!自宅でできる音感トレーニング



この「数字で音楽を捉える」という手法は、大人だけでなく、お子様の音楽教育にも極めて有効です。


特に幼少期から、単なるドレミの暗記ではなく、「この音の次は、こんな気持ちの音になるね」という相対的な関係性を伝えてあげることで、将来にわたって音楽を自由に楽しめる「一生モノの音感」が育ちます。



「うちの子には才能があるかしら?」と悩む前に、まずは親子で「響きの変化」を楽しむ時間を持ってみませんか?


 

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まとめ:さあ、もう一度楽器を手に取ってみませんか?



かつて「自分には向いていない」と諦めたあの時の感情は、決してあなたの能力のせいではありません。ただ、「コード名」という、あまりにも複雑な入り口から入ってしまっただけなのです。



音楽は、もっと自由で、もっとシンプルなものです。



まずは『翼をください』のサビを、「1 → 5 → 6 → 3」とゆっくり鳴らしてみてください。
そこに、あの懐かしくも輝かしいメロディーが重なったとき、あなたの新しい音楽の旅が再び始まります。



Ratanotesという新しい地図を手に。
相対音感という、あなたの中に眠る翼を広げて。

今日、この瞬間から、音楽をあなたの一生楽しめる趣味にしていきましょう。


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