魔法のコードで良い感じに弾ける!あいみょん『マリーゴールド』
「今年こそ、楽器を弾けるようになりたい!」
そんな決意と共に楽器を手にし、楽譜との格闘の日々。なんとか弾きたい楽曲が弾けるようになったけど、もう1曲でお腹いっぱい。。。他の曲を弾こうとしても、また新たにコードを学ばないといけないなんて。。。
そんな経験、皆さんもありませんか?

2018年8月8日にリリースされて以来、多くの人の心を掴んできたこの曲。作詞・作曲はもちろんあいみょんさん本人。そのストレートな歌詞と夏を感じさせながらも、どこか懐かしいメロディーは、アコースティックギターの響きとあいまって、どこか切なさも感じさせてくれます。
しかし、いざ楽譜を開いてみると、C, G, Am, Em, F... と並ぶコードの数々に、面食らいながらも、とにかく一曲は弾き切る思いでがむしゃらに演奏練習をしてみる。そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。

よく分からない。そして、目の前の楽譜と楽器と格闘する毎日。それはそれで楽しい時間かもしれませんが、多くの場合、右も左も分からない状態での練習は、まるで暗記学習のような苦痛を感じるはずです。
でも安心してください。
これから皆様にお伝えする内容は、たった5つの「魔法のコード」で音楽のカタチが手に取るように分かり、演奏のしやすさが劇的に変わる、というお話しです。
でもその前に、なぜ私たち楽器初心者は挫折しがちなのでしょうか。
少しずつ紐解いてみましょう。
【あわせて読みたい!】▼Ratatone®公式サイト▼
男の子・女の子への入学祝いに!子どもの音感を鍛えるトレーニング方法と、自宅での練習効果。 大人の音感も鍛えられます!
なぜ楽器は挫折する?「コード暗記」と「才能という幻想」
『どんなときも。』の記事でも触れましたが、音楽で挫折する原因は、あなたの「才能」のせいでは決してありません。多くの場合、それは音楽の「学び方」に原因があります。

挫折の原因1:果てしないコード暗記の世界
ピアノを始めれば五線譜、ギターを始めれば無数のコードが記載されたコードブックを手にとることでしょう。メジャー、マイナー、セブンス…同じ「C」の音ですら、C, Cm, C7, CM7, Cm7...と、いくつもの「押さえ方(フォーム)」が存在します。
これらを全て丸暗記しなくては、好きな曲を自由に弾くことなどできない。そんな風に思い込み、難しさを感じていませんでしたか?
さらに厄介なのが、カラオケで自分の声の高さに合わせて「キー」を+1、-1と変えるように、楽譜のキーを変えようとした瞬間、全てのコードが全く別のものに変わってしまうことです。
「Cのキーでは『C→G→Am→F』だったのに、Gのキーになったら『G→D→Em→C』になる…
なぜ!?」
同じ曲のはずなのに、全く別の暗号に見えてしまう。この複雑怪奇なルール変更が、「ああ、自分には音楽の才能がないんだ」という、深い苦手意識を刻みつけてしまうのです。

挫折の原因2:「才能」という言葉が思考を停止する
「あの人は耳がいいから」「絶対音感があるから」。
私たちは、音楽ができる人を特別な「才能」の持ち主として神格化しがちです。
彼らが持っているのは、限られた人しか得られない特殊な「才能」ではなく、音楽を「関係性」や「構造」で捉える「視点」です。例えば、無規則に見えるコードの流れから、ある関係性や構造を見出すことができる能力です。
それは例えば、「イチゴ、リンゴ、サクランボの関係性は?」と聞かれて、「果物」や「果実」と頭に浮かぶのと似たようなことなんです。

このような「視点」さえ手に入れれば、音楽は暗記科目から、謎解きやパズルのような、知的好奇心を満たす遊びへと変わります。
音楽の構造を捉える「視点」
では、その「視点」とは何でしょうか?
まずは、音楽特有のC・Gといったコード名から一旦離れることにします。
その代わりに、ここからは数字を使っていきたいと思います。
音楽なのに数字?
と面食らうと思いますが、ここは一旦受け止めてください。

この6つだけです。
これらの数字には、それぞれ次のコード名が対応しています。
(便宜的に全てKey=C *ハ長調で表します)

では、ここからは、この数字を使いながら、あいみょん『マリーゴールド』を例にとって、どのように音楽の構造を捉えるのかを見ていきたいと思います。
魔法のコードの正体、「カノン進行」
『マリーゴールド』が多くの人に愛され、そして弾き語りの定番曲として親しまれる最大の秘密。それは、「カノン進行」という、定番のコード進行パターンで出来ているからです。
カノン進行とは?
カノン進行とは、17世紀のドイツの作曲家、ヨハン・パッヘルベルの『カノン』で使われていることからこの名で呼ばれる、非常によく知られたコード進行のパターンのことです。

「1 → 5 → 6 → 3 → 4 → 1 → 4 → 5」
という響きの流れが基本形で、日本では特にヒット曲に多用されていることで有名なコード進行です。
興味がある方はYouTubeで「カノン」や「カノン進行」と検索してみてください。
スピッツの『チェリー』、ZARDの『負けないで』、そして近年のヒット曲まで、少し切なくも、どこか懐かしく、そして希望を感じさせる、あの独特の「エモさ」。その源泉こそ、このカノン進行にあると言っても過言ではありません。
このカノン進行が持つ、少し切なくも心地よい響きの流れは、まさに『マリーゴールド』の世界観そのものです。
そして、この「響きの流れ」を掴むことができれば、細かいコード名を一つずつ覚えなくても、他の楽曲を聴いた時、感覚的に「あっ、この曲はカノン進行だ」と理解することができ、曲を演奏できるようになるのです。
つまり、『マリーゴールド』を弾けるようになることは、単に1曲のレパートリーが増えるのではなく、J-POPのヒット曲の多くを演奏できるようになる、ということなのです。
【あわせて読みたい!】▼Ratatone®公式サイト▼
自宅で音感トレーニング!誕生日プレゼントに最適な音楽のプレゼントをお探しですか?
「カノン進行」を目で見て、耳で感じてみる
Ratanotesなら「カノン進行」がひと目でわかる
では、『マリーゴールド』の構造がどうなっているのか、本当にカノン進行なのか、私たちが開発した「Ratanotes(ラタノーツ)」を使ってみていきましょう。
Ratanotesは、これまで捉えにくかった音楽の構造や「響きの流れ」を直感的に理解できるよういろんな工夫が施されています。
では、『マリーゴールド』の冒頭部分をクローズアップしてみます。

歌詞の上に四角い色のついた箱のようなものが並んでいます。箱の中には(ローマ)数字が書かれていますね。
では歌詞に合わせて数字を追っていきましょう。
(1)かぜのつよさが(5)ちょっと こころ
(6)をゆさぶりすぎ(5)て
(4)まじめに(1)見つめた(4)君がこ
(5)いしい
この冒頭では、コードの流れが「1 → 5 → 6 → 5 → 4 → 1 → 4 → 5」となっています。
カノン進行は、コードの流れが「1 → 5 → 6 → 3 → 4 → 1 → 4 → 5」となっています。
一部、カノン進行からアレンジされている部分はありますが、基本的な響きの流れはカノン進行となっています。
響きの流れを数字で見ると、どちらも似たような構造だと知ることができます。
これをコード名で把握しようとすると途端に同じ構造とは理解できなくなります。
例えば、サビの部分をコード名で表記すると、
Key=D
「D → A → Bm → A → G → D → G → A」
となりますが、
自分の声に合わせてキーを少し低くしようとすると次のようになります。
Key=C
「C → G → Am → G → F → C → F → G」
このように、キーが変わるとコード名が変わるので、途端に曲の構造が分かりにくくなることがお分かりいただけると思います。
- 一般的なコード譜:キーが変わると全部覚え直し。曲の構造が見えにくい
- Ratanotes(数字表記):キーが変わっても同じ表記。曲の「設計図」が直感的にわかる。
このように数字で表記することで、カノン進行のような「コード進行のパターン」が、まるで地図のようにハッキリと見えてくるのです。
実践!『マリーゴールド』をRatanotesで弾いてみよう
お待たせしました。
それでは早速、『マリーゴールド』のカノン進行の響きをRatanotesと一緒に体感してみましょう。
【ステップ1:サビの響きの流れを感じる】
まずは、曲の最も象徴的なサビの部分のカノン進行を体感してみましょう。
Ratanotesをお持ちでない方は、YouTubeやスマホのコード演奏アプリなどで鳴らしてみてください。

麦わらの
(1)帽子の(5)君が揺れた
(6)マリーゴールドに(5)似てる あれ
(4)は空がまだ青(1)い夏の(6)こと なつ
(4)かしいと笑えた(5)あの日の恋
「1 → 5 → 6 → 5 → 4 → 1 → 6 → 4 → 5」
安定感のある「1」の響きから始まり、少し緊張感のある「5」の響きへ。そして切ない響きの「6」へと繋がり、物語が展開していく。このような響きの流れを感じる感覚こそが、耳コピ能力や、音楽を深く楽しむための「相対音感」の入り口です。
【ステップ2:Aメロ・Bメロに隠された秘密を探る】
次に、Aメロ・Bメロに注目してみましょう。
何か気づくことはありませんか?

色を見ると分かりやすいと思います。
AメロとBメロは全く同じ響きの流れで構成されていることが分かると思います。
そして、驚くことに、このマリーゴールドはAメロ・Bメロ・サビを通して、ほぼ同じコード進行で展開されていることがわかります。
同じコード進行なのに、記憶に残るメロディラインを生み出すあいみょんの創造性には脱帽ですね。。。
【ステップ3:たった5つのコードで弾けることに気づく】
ここまででお分かりいただけると思いますが、
マリーゴールドは、「カノン進行」を理解するだけで1曲が丸ごと演奏できてしまいます。
次に、Ratanotes全体を眺めてみましょう。Ratanotesの弾き語り楽譜の下部には、その曲で主に使われるコード(ダイアトニックコード)がまとめられています。
ここでは、便宜的に「コードブロック」と呼びます。

驚くことに、『マリーゴールド』の大部分は、このコードブロック上段にまとめられた5つの基本コード「1(I), 3(IIIm), 4(IV), 5(V), 6(VIm)」だけで構成されていることがわかります(下段のコードは、曲をよりエモーショナルにするための「スパイス」です)。
もう無数のコードを暗記する必要はありません。たった5つの関係性を覚えるだけで、このエモい音楽を演奏することができるのです。
【ステップ4:あなたの楽器でコードを鳴らしてみる】
曲の構造が理解でき、コードの流れを数字で把握できたあとは、いよいよあなたの楽器で演奏してみましょう。ここからは、各楽器の指の動きに合わせるため、最も簡単な「キー=C」に置き換えて考えます。
* I = C
* IIIm = Em
* IV = F
* V = G
* VIm = Am
この対応表を見ながら、サビの歌詞に合わせてゆっくり弾いてみてください。
麦わらの
(C)帽子の(G)君が揺れた
(Am)マリーゴールドに(G)似てる あれ
(F)は空がまだ青(C)い夏の(Am)こと なつ
(F)かしいと笑えた(G)あの日の恋
どうでしょう?
つたない演奏でも、あの『マリーゴールド』の切ないメロディーが演奏できたはずです。
これこそが、音楽を「構造」で理解するということの威力です。
【あわせて読みたい!】▼Ratatone®公式サイト▼
子どもの音感を伸ばす!入学祝いとして最適な音楽のギフトをお探しですか?
マリーゴールドだけじゃない。「カノン進行」で広がる楽曲レパートリー
『マリーゴールド』が弾けるようになったあなたが手に入れたのは、単に楽曲のレパートリーが一つ増えただけにとどまりません。
- 音楽には構造があるという真実。
- J-POPのヒット曲に共通する「設計図(カノン進行)」を読み解く力。
- キーが変わっても混乱しない、音楽を「数字で捉える」という視点。
これらは、あなたの音楽人生を根底から変える「一生モノのスキル」です。
カノン進行は、スピッツの『チェリー』、ZARDの『負けないで』など、他にも数えきれないほどの日本のヒット曲で使われています。
一度この「響きの流れ」を耳が覚えてしまえば、ラジオから流れる新しい曲を聴いたとき、「あ、この曲もカノン進行だ!」と自然に分析している自分に気づくはずです。それは、これまでとは全く違う、音楽との新しい付き合い方の始まりです。もはや、音感訓練や耳コピの独学も夢ではありません。
まとめ:もう一度、そのギターを手に取ってみませんか?
かつて「楽器は自分には無理だ。向いてない。」と思って楽器を眠らせたとしても、それはあなたのせいではありません。ただ、「学び方」が少しだけ遠回りだっただけです。
Ratanotesと「カノン進行」という新しい地図があれば、音楽の旅はもっとずっと楽しく、自由になります。
まずは、チューニングを合わせて、Cのコードを一つ、ゆっくりと鳴らしてみてください。
そして、G、Am、Em...と、今日覚えた響きを確かめるように、指を動かしてみてください。
そこから、あなたの新しい音楽の物語が始まります。『マリーゴールド』のメロディーを口ずさみながら、今日この瞬間から、音楽をあなただけのかけがえのない趣味にしていきましょう。
---
このサイト(https://www.ratatone.com)では、音感の鍛え方を学びたい子ども向けのコンテンツとして「かわいいかくれんぼ」や「ことりのうた」、または「明日があるさ」といった楽曲の楽譜も紹介しています。ドレミファソラシドの音を基本から学びたいお子様や、幼児への音感トレーニングを自宅で行いたい方にも、Ratatone、Ratanotesは最適です。誕生日や入学祝いに、女の子・男の子問わず喜ばれる音楽のプレゼントとして、ぜひご検討ください。
